1. TOP
  2. 地域で活動する人紹介
  3. 【企業CSR】 株式会社スカイファーム 代表取締役 川西裕幸さん

[SUBSYSNM]

【企業CSR】 株式会社スカイファーム 代表取締役 川西裕幸さん

2014.01.23更新

 高松市飯田町。「いちご屋スカイファームの朝採りいちご」の大きな文字と真っ赤ないちごの看板をみた瞬間、すでにふゎーとイチゴの良い香りが漂ってくるような気がします。

予防的な農薬散布は行わず、害虫はできるだけ手でとったり、害虫の天敵昆虫を放したり。農薬を使う場合は天然由来のものを中心に使用。花の受粉はミツバチが働きます。昼間、太陽の光をいっぱい浴びたいちごが、朝にパンパンに膨らむ…一日のうちで一番おいしい「完熟朝採りいちご」がスカイファームの身上です。
 
川西さんの祖父母はミカン農家。祖母が毎年つくっていたような美味しいイチゴを作りたくて、起業して本格栽培に乗り出しました。農学部を出て、先端技術を誇る植物工場に勤めた経験もあった川西さん。1998年に就農後、2004年に会社を立ち上げ、イチゴ栽培を始めますが、当初は思うような品質や量の生産ができず、試行錯誤と苦労を重ねます。そんな折、人から誘われて香川県中小企業家同友会の扉をたたくことに。
 
同友会での異業種交流が、川西さんに様々なヒントをもたらします。「経営指針」もその1つ。それまでは、収穫量や品質は天候次第であり、売り先は予め決めずに栽培して「競り」にかけるという、一般なやり方でした。異業種の人から「価格も決められず誰に販売するかも決めずに生産するなんて、他の業種では考えられない」と言われて川西さんはハッとしました。農家に価格決定権がないという状況は、どうしても変えなければならない現実でした。
 
スーパーマーケットが当たり前になって、生産者と消費者が切り離されて久しい現代。
再び、お客さんの顔が見える生産を―。川西さんは、それまでの卸をやめ、直接販売に切り替えました。そして、若手の農家仲間で2008年に「香川元気ネットSEED」を立ち上げます。消費者と生産者が出会い、一緒に農を考える。消費者にとっては安全で質の高い農産物を手に入れることができ、生産者にとっては安定的な収入を確保できる。もちろん、そのためには産品自体のファンになってもらえる品質を達成しなければならないわけで、容易いことではありません。
 
香川ならではの悩みもあります。政府が進める農業の大規模化に、もともと土地が狭い香川は向いていない。けれども、気候が穏やかで災害も少ないという利点もある。香川は香川の、独自の解決法を生み出していかねばならないのです。
 
それぞれの農家が自分ひとりでできることなど本当に限られている―。危機意識を共有する川西さんたちの仲間は、次々にアイディアを出します。香川元気ネットSEEDの事業として始めた「さぬき農園ぐらしinまるがめまち」では、一般の方が農家さんで農業体験を行う「アグリ体験」、街中で生産者のお話を聴いたり一緒に料理教室を行う「まなびcafe」、採りたて野菜を予約して街中のマルシェで受け取れる「マルシェ&お取り置きネット」などを実施。スカイファーム独自の農業・食育体験も数多く行っています。泥んこ田植え体験、稲刈り体験、じゃがいも植付け体験、いちご定植体験…。
 
これらは単なるイベントではなく、長期的ビジョンに基づく大切な布石なのです。
 
農家で実際に土に触れ、農業を身近に感じてもらうこと。消費者が食物の品質や安全性に関心をもって、「この農家さんの作るものなら安心しておいしく食べられる」という関係づくりをすることこそ、大規模専業でない農家が生きる道なのだと、川西さんは考えます。
 若手といっても、農家の二代目、三代目がほとんどで、ゼロから農業を始める若手は少ないといいます。けれども、やる気のある農家で働き、いずれ独立を目指す人もいます。
 「独立心があるくらいのほうがいい。農業にマニュアルはありませんから、奥が深く、そのたびに対応できないといけない。独立してやる、くらいの強い気持ちがあったほうが良いんです。」
 
 川西さんたち若い生産者の言葉には、強いメッセージを感じます。消費者も農家まかせではいけない、向き合っているのは「いのち」そのもの。みんなの問題なのだと。
お問い合わせ先
株式会社スカイファーム
〒 761-8033 香川県高松市飯田町 656-1
電話 087-881-5256