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【まちづくり】 株式会社ツゲ炭酸工業 専務取締役 柘植敏秀さん

2015.03.12更新

【まちづくり】 株式会社ツゲ炭酸工業 専務取締役 柘植敏秀さん

 株式会社ツゲ炭酸工業で、企業人として社会に参画している柘植さん。同時に高松まちづくり協議会の理事などの立場で、地域がより活性化するための様々なアイディアや事業提案をし、実施してこられました。
 

 高松まちづくり協議会立ち上げのきっかけとなったのは、協議会理事長の野崎敬三氏が滋賀県の「株式会社黒壁」の事例を見たことでした。商店街が衰退し、自力で浮き上がることが難しい状況のなかで、青年会議所や市議など外部の、主に経済人が団結して再生のシナリオを書き、商店街に再び人を呼び込んだのです。この事例を参考に、高松の経済人たちも動き始めます。ただし、滋賀と都市規模が異なるためまったく異なる形で展開しました。高松では、先に動いていた行政主導の事業に地元経済界が人材で協力する形で始まったのです。高松市は、まちづくり協議会など各団体の力を取りこみながら、広く市民を巻き込み、やる気のある人を集めてワークショップや講座を次々と実施し、ガラガラポンを繰り返しました。そうした中で、その後の高松のまちづくりで力を発揮する多くの人材が現れてきました。
 

 折しも、NPO法が制定された時代であり、それまでに存在しなかった「特定非営利活動法人」という新しい団体に社会の期待が集まっていました。待っていればお上(行政)が全てやってくれる、という時代は終わる。NPOという新しい活動の主体が行政の対等なパートナーとなり、自ら地域の問題に目を向け解決していくことが可能、と思えた時でした。
 

 高松市は平成9年、まちづくりに関心のある市民に研究活動の場を提供することを目的に「まちづくりゼミナール“がんばれ高松”」をスタート。ゼミナールに参加する市民の企画が採択されたうえ最終提言まで進むことで意見が市制に反映される機会が設けられ、まさに協働の形が見えかけていたといえます。
 

 しかし、NPOの限界も徐々にわかってきました。たいていの構成員が本業の傍らボランティア的に動くしかないNPO。継続性をもって安定的に活動をすることが難しく、「行政の対等なパートナーに」という当初の目標からはまだまだ遠いとわかったのです。一方で市は、宝塚市の事例に倣い、コミュニティ協議会を各地域に興しパートナーシップを模索しはじめます。高松市は、全国に先駆けて地域コミュニティを再構築し、地域との連携に取り組み、先端事例として評価されるようになりました。地域コミュニティは堅実な組織ではありますが、個々の利害に左右されない中立的にコーディネートできる人材が必要です。NPOの側からその人材を養成し、地域に送り込むことこそ、今後のまちづくりの大きな突破口になると柘植さんは考えます。
 

「民間だけでは取り組みを安定、継続的に行うのが難しい。市の事業にしてしまうと3年なりで必ず実施期間に期限があります。だから、市民活動センターが中間支援的役割を果たすことが重要なんですよ。とにかく、地道に継続して人材を作り続けるのです。しかも、2つの異なる層、つまり広くビギナーの参加を促すこと、もう1つがリーダー的な人材を育てることです。いま、センターは市の直営ですから職員は動きにくいかもしれませんが、市内で『自分たちも何かしたい、でも何をしたらよいかわからない』と悩んでいる個人と団体をうまくつなげて、その人たちに動いてもらえば良いのです。」
 

 かつて中間支援的役割を目指していた市民活動団体が力を失ったことが残念でならないが、市民の力で社会を変えた事例もある。やればできるんです、という柘植さんの言葉は、自ら愚直に土着的に行ってきた取り組みがあってこその説得力に満ちていました。
 

 ネガティブにならずに過去の経験値を冷静に分析し、小さな一歩に取り組むこと。その一歩を踏み出すためには「知行同一」が非常に重要なのだと感じました。
 

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