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【インタビュー】aste(アステ) 代表 田中志歩さん

2018.03.20更新
代表 田中志歩さん
代表 田中志歩さん

 ”小さな村での小さな活動“が咲かせる、先住民族の人々の笑顔。


aste(アステ)は、香川大学大学院生の田中志歩さんが代表を務めるNGO(国際支援団体)。メンバーは20名。その活動の舞台は、南アジア・バングラデシュ。1971年にパキスタンから独立した、人口は1億6千万人(人口密度世界一!!)の国だそうです。国民の大多数をベンガル人が占めていますが、約50もの先住民族(ベンガル人とは異なる文化を持つモンゴロイド系)が暮らしています。
 asteは、そのバングラデシュの中でもミャンマーとの国境沿いの、チッタゴン丘陵地帯にある”バンドルボン県“に焦点を当てた活動を行っています。このバンドルボンには、マイノリティの中のマイノリティである人口の少ない民族や立場の弱い民族が暮らしています。「2014年5月から約1年間、チッタゴン丘陵地帯に日本語教師として赴任したことが活動のきっかけです。少しずつ民族語が理解できるようになった時に、私も何か一緒にやってみたいと思うようになったんです」。田中さんはこうして同年、10人(現地メンバー4人含む)のメンバーとともにasteを立ち上げました。

現地バンドルボンで、先住民族(=少数民族)の中でも社会的に弱い立場にあるクミ族やムロ族の子どもを中心とした教育支援を続けているaste。この”aste”とは、バングラデシュの言語で『ゆっくり』という意味だそう。自分たちasteの活動もゆっくりではあるけれども、少しずつ確かに確かに進んでいこう、と!!聞けば、現地メンバーが名付けてくれたとのこと。このasteらしい“小さな村での小さな活動”は、確実に進んでいます。例えば、両親が離婚した大学生の奨学金支援(卒業までの5年間) 、さらに貧困状態にある小学生2名の奨学金支援(高校卒業まで)など。asteの支援活動は、遥かバングラデシュの地で、間違いなく先住民族の子どもたちの未来を切り拓いています。『教育は、彼らの未来の選択肢を増やすから』と、田中さんは話します。さらに、昨年からは”クミ族の村に学校建設プロジェクト“を立ち上げ、現地調査をスタートさせました。すべては、先住民族の子どもが母語(クミ語やムロ語)で学ぶことのできる環境を整えるためで、村長・先生とのミーティング、建設予定地の決定、村での全世帯調査や現地NGOやバングラデシュの先住民族の大学生らと活動等を精力的に行ってきました。
 asteの活動のメインはこれら教育支援と、フェアトレード事業です。メンバーは「バングラデシュやasteの活動を知ってもらえるきっかけ作りができたら」と、村のお母さんたちが一枚一枚丁寧に手織りしたストールや民族衣装の巻きスカート「ピノン」、その織物から加工したブックカバー等をイベントで販売しています。昨年秋には、チッタゴン丘陵地帯の自然や人々の暮らしを写した”asteオリジナルポストカード“も制作しました。こうして、田中さんをはじめメンバーはバングラデシュやチッタゴン丘陵地帯のこと、“毎日が発見でいっぱい”の先住民族の人々の暮らしや文化やその置かれている立場についての出前授業、ワークショップにも取り組んでいます。

昨年4月に田中さんは、2017年高松人間力大賞(高松青年会議所主催)グランプリと香川県ユニセフ協会賞を受賞しました。その受賞コメントの中で、「私たちの活動はすぐに香川県に還元できるものは少ないが、県民の皆さんにバングラデシュのことや、国際交流について身近に感じてもらえるようなイベントや講演等をこれから行っていければと思う。バングラデシュ現地においても、現地の人々のニーズに合った活動を行っていきたい」と語っていました。
 「現地が主役のNGO」を合言葉に、田中さんらはこの3月、クミ族の村に入ります。いよいよ小学校建設の予算・スケジュール決定に着手するそう。「目標は学校を建てることではなく、マイノリティの立場にある子どもたちが自分の文化を尊重しながら教育を受けることのできる環境づくり」という明確なミッションが、取材を通して、心に強く刺さりました。このプロジェクトは必ずや、先住民族の子どもたちの未来を明るく照し続けるでしょう。そして、asteの“小さな村での小さな活動”は、小学校完成後も、ゆっくりと着実に続いていきます。
 

 ※田中さんへの取材日は2018年2月22日です。

 

お問い合わせ先
aste(アステ)
高松市常磐町1-3-1 瓦町FLAG 8F 市民活動センター内 21号
電話:090-2789-3769  
E‐mail:asteaste.bangla@gmail.com